消費税の2割特例は2026年分で終了|次に何を選ぶか、12月31日までに決めること

最終更新:2026年08月26日

インボイス制度をきっかけに課税事業者になった方の多くが使ってきた2割特例が、まもなく終わります。ここを見落とすと、翌年から納める消費税が一気に増えることになります。

いつまで使えるのか

2割特例が使えるのは、令和8年(2026年)9月30日を含む課税期間までです。

最後に使える期間その申告の時期
個人事業主2026年分(令和8年分)2027年3月の確定申告
3月決算の法人2027年3月期2027年5月
9月決算の法人2026年9月期2026年11月

個人事業主は暦年で区切るので、2026年分が最後です。2027年分からは別の方法を選ぶ必要があります。

2割特例とは何だったか

売上にかかった消費税の2割だけを納めればよい、という特例です。

例:売上660万円(うち消費税60万円)の場合 → 納付額は 60万円 × 20% = 12万円

仕入や経費の集計をしなくても計算できるため、事務負担も軽い制度でした。これが終わると、原則として仕入や経費にかかった消費税を1件ずつ集計する必要が出てきます。

2027年分からの選択肢

1. 3割特例(個人事業主のみ・新設)

令和8年度税制改正で新しく作られた制度です。売上税額の3割を納めます。

先ほどの例なら、60万円 × 30% = 18万円。2割特例のときより6万円増えますが、急激な負担増を和らげるための橋渡しの制度です。

2. 簡易課税

業種ごとに決められた「みなし仕入率」で計算する方法です。

業種みなし仕入率実質の負担割合
卸売業90%売上税額の10%
小売業80%20%
製造業・建設業など70%30%
飲食店業など60%40%
サービス業など50%50%
不動産業40%60%

卸売業と小売業の方は、3割特例より簡易課税のほうが有利になります。逆にサービス業の方は、3割特例が使える2年間はそちらのほうが軽くなります。

3. 本則課税

実際に支払った消費税を集計して差し引く、原則どおりの方法です。設備投資が多い年や、仕入率が高い事業では有利になることがあります。ただしすべての請求書・領収書を集計する必要があるため、事務負担は最も重くなります。

期限は2026年12月31日です

簡易課税を選ぶ場合、「消費税簡易課税制度選択届出書」を、適用したい課税期間が始まる前の日までに提出する必要があります。

個人事業主が2027年分から簡易課税にしたいなら、提出期限は2026年12月31日です。年末は何かと忙しいので、今のうちに考えておいてください。

3割特例には届出が不要とされていますが、制度が始まったばかりのため、詳細は必ず所轄の税務署または顧問税理士にご確認ください。

どれを選ぶかの目安

  1. 卸売業・小売業 → 簡易課税が有利になりやすい。12月31日までに届出
  2. サービス業・飲食業(個人) → 2027・2028年は3割特例、その後に簡易課税を検討
  3. 法人 → 3割特例は使えません。簡易課税か本則課税の二択。事業年度が始まる前に届出
  4. 設備投資の予定が大きい → 本則課税のほうが有利な可能性。税理士に相談を

なお、簡易課税は一度選ぶと原則2年間は変更できません。翌年に大きな設備投資を予定している場合は、慎重に判断してください。

本則課税に戻るなら、いまから準備を

本則課税では、経費の一件ごとに税率(8%か10%)とインボイス登録番号が必要になります。2割特例のあいだは不要だった作業です。レシートを撮りためておくだけで、この情報を自動で拾えるようにしておくと、切り替えたときに慌てずに済みます。

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※ この記事は一般的な情報の整理であり、個別の税務判断ではありません。制度の適用にあたっては顧問税理士または所轄の税務署にご確認ください。

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