パソコンや机はいくらまで一括で経費にできる?10万・20万・40万円の境目
最終更新:2026年08月26日
パソコンを買ったとき、その年に全額経費にできるのか、何年かに分けるのか。ここは金額で機械的に決まります。そして2026年4月から基準が変わりました。
金額別のルール
| 取得価額 | 扱い | 誰が使えるか |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 全額をその年の経費(消耗品費など) | 全員 |
| 20万円未満 | 一括償却資産(3年で均等に償却) | 全員 |
| 40万円未満 | 少額減価償却資産の特例(全額をその年の経費) | 青色申告者・中小企業者等 |
| 40万円以上 | 通常の減価償却(法定耐用年数で按分) | 全員 |
2026年4月から30万円 → 40万円に
令和8年度税制改正により、少額減価償却資産の特例の対象が「取得価額30万円未満」から「40万円未満」に引き上げられました。適用期限も3年延長されています。
物価が上がってパソコンや業務用機器の値段が30万円を超えるケースが増えていたので、実務的にはかなり効く改正です。35万円のパソコンが、その年に全額経費にできるようになりました。
特例を使うときの注意点
年間300万円までという上限があります
この特例で経費にできるのは1年あたり合計300万円までです。40万円の機器なら7台までということになります。上限を超えた分は、通常の減価償却になります。
青色申告であることが条件です
白色申告の方はこの特例を使えません。白色の場合は10万円未満か、一括償却資産(20万円未満)までです。
税込か税抜かは経理方式で決まります
「40万円未満」の判定は、普段の帳簿の付け方に合わせます。
- 税込経理をしている → 税込で判定(免税事業者はこちら)
- 税抜経理をしている → 税抜で判定
税抜経理なら、43万円(税込)のパソコンは税抜39万円ちょっとなので特例が使えます。ここで判定を間違えやすいので気をつけてください。
「一式」で判定します
金額はレシート単位ではなく、通常一組として使う単位で判定します。
- パソコン本体25万円+モニター8万円を同時購入 → 合わせて33万円で判定するのが原則です
- 応接セット(ソファ+テーブル)→ 一組で判定
- 事務椅子を5脚 → 1脚ずつ判定してよい
本体とモニターを分けて買えば別々に判定できる、という考え方もありますが、実態として一体で使っているものを分割するのは避けたほうが無難です。
どれを選ぶと得か
意外に思われるかもしれませんが、全額をその年の経費にするのが常に得とは限りません。
- 今年の利益が大きい → 特例で全額経費にして、今年の税負担を下げる
- 今年は赤字、来年は黒字の見込み → 減価償却で数年に分けたほうが、来年以降の税金を減らせる
- 一括償却資産(20万円未満)を選ぶと → 償却資産税(固定資産税)の対象外になるという利点があります
3つ目は法人や規模の大きい個人事業主に効きます。償却資産の合計が150万円を超えると償却資産税がかかるため、20万円未満のものは一括償却資産にしておくと課税対象を減らせます。
買ったときにやること
- 領収書を残す(金額の判定根拠になります)
- いつ使い始めたかを記録する。経費にできるのは買った日ではなく、使い始めた日が属する年です
- 青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄に、特例を使った旨を記載する
3番目を忘れると特例が使えません。会計ソフトで「少額減価償却資産の特例」を選んで登録すれば、自動で記載されます。
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