クレジットカードの利用明細は領収書の代わりになる?インボイス制度での正解

最終更新:2026年08月24日

「カードの明細があるから領収書は要らない」と考えている方は少なくありません。しかし消費税の計算においては、カード会社の利用明細は適格請求書(インボイス)として使えません

なぜ使えないのか

国税庁は、クレジットカード会社から受け取る請求明細書について、「課税資産の譲渡等を行った事業者が作成したものではない」ため適格請求書に該当しない、という見解を示しています。

適格請求書は、商品やサービスを売った側(お店側)が発行するものです。カード会社は決済を仲介しているだけで、売った本人ではありません。ですので、いくら明細が詳しくても、その役割は果たせないということになります。

では何を保存するのか

お店から受け取ったレシート・領収書です。カード払いでも紙のレシートは出ますので、それを保存します。

受け取るものインボイスとして使えるか
お店のレシート(登録番号あり)使える
クレジットカード売上票のみ原則として使えない
カード会社の利用明細使えない
お店発行の領収書(登録番号あり)使える

売上票が使えない理由

カード端末から出てくる「ご利用控え」「売上票」には、たいてい品目と消費税率の内訳が書かれていません。適格請求書には、税率ごとに区分した金額と消費税額の記載が必要です。ただし、店舗によっては売上票に登録番号と税率別の金額まで印字しているところもあり、その場合は要件を満たします。紙に何が書いてあるかで判断するのが正しく、名前で判断するものではありません。

領収書が無くても控除できる例外

次のものは、帳簿への記載だけで仕入税額控除が認められます。

この場合、帳簿に「〇〇鉄道 3万円未満の乗車券」のように、特例に当たる旨がわかる書き方をしておきます。タクシー代は公共交通機関の特例に含まれませんので、領収書が必要です。

実務でおすすめの運用

  1. カードで払ったら、その場でレシートを受け取る(「レシートは要らない」と言わない)
  2. 月末にカード明細と突き合わせて、レシートが無いものを洗い出す
  3. 抜けているものは、店舗の会員ページやメールから領収書を取り直す
  4. それでも出てこないものは、経費にはできますが仕入税額控除は諦めると割り切る

4番目が重要です。所得税・法人税の経費と、消費税の仕入税額控除は別の話です。領収書が無くても支出の事実が説明できれば経費にはできますが、消費税の控除には適格請求書が要ります。ここを混同すると、消費税の申告で誤ります。

カード明細も保存は必要

使えないなら捨ててよい、ということではありません。カード明細をWebやメールで受け取っている場合、それは電子取引にあたり、データのまま保存する義務があります。印刷して紙で保存するだけでは要件を満たしません。

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