個人事業主の経費はどこまで認められる?判断基準と迷いやすい支出
最終更新:2026年08月20日
「これ、経費にできますか?」という質問に一律の答えはありません。ただし判断の軸ははっきりしています。それを押さえれば、たいていのことは自分で判断できます。
判断の軸はひとつだけ
その支出が、売上を得るために直接必要だったか。
所得税法では、必要経費を「総収入金額を得るため直接に要した費用」と「その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用」と定めています。要するに、事業に必要だったと説明できるかです。
実務では、次の3つを自問すると判断できます。
- この支出がなければ、売上が減っていたか
- 税務署の人に「なぜこれが必要だったのか」と聞かれて、答えられるか
- プライベートでも使うものか。使うなら、事業で使う割合はどれくらいか
迷いやすい支出
自宅の家賃・光熱費
自宅で仕事をしているなら、事業で使っている割合だけ経費にできます(家事按分)。
- 床面積で按分:仕事部屋が全体の20%なら20%
- 使用時間で按分:1日8時間仕事なら 8/24 = 約33%
どちらの基準でも構いませんが、根拠をメモに残し、毎年同じ基準を使うことが大切です。「なんとなく50%」は説明できません。
スマートフォン代
同じく按分します。仕事の通話やメールが半分程度なら50%、という具合です。事業専用の回線を別に持てば全額経費にできます。
洋服・スーツ
原則として経費になりません。プライベートでも着られるためです。ただし、次のようなものは経費にできます。
- 会社のロゴが入った作業着・ユニフォーム
- その仕事でしか使わない特殊な衣装(撮影用の衣装など)
- 安全靴、ヘルメットなどの保護具
食事代
| 状況 | 扱い |
|---|---|
| 取引先との打合せ・接待 | 会議費または接待交際費 |
| ひとりでの昼食 | 経費にならない(生活費) |
| 出張先での食事 | 原則ならないが、出張手当の規程があれば別 |
| 残業時の食事(従業員がいる場合) | 福利厚生費 |
打合せの飲食は、レシートの裏に誰と会ったかを書いておくと説明がつきやすくなります。
書籍・セミナー
事業に関係する内容なら経費になります(新聞図書費、研修費)。ただし趣味の本や、事業と無関係な資格の勉強代は認められにくいです。
自動車
事業とプライベートで兼用なら按分します。走行距離の記録をつけて「年間走行1万kmのうち6千kmが事業」といった形にすると説得力があります。ガソリン代、保険料、車検代、駐車場代、減価償却費すべてが按分の対象です。
家族への給料
生計を一にする家族への給料は、原則として経費になりません。ただし青色事業専従者給与の届出を出していれば経費にできます。届出には期限(原則その年の3月15日まで)があるので注意してください。
健康診断・ジム代
個人事業主本人のものは経費になりません(従業員がいて、全員を対象にした制度なら福利厚生費になり得ます)。
迷ったときの安全策
- 按分してでも計上する:全額は無理でも、事業割合ぶんなら通ります
- 根拠を書き残す:按分の計算方法、打合せの相手、購入の目的
- 金額が大きいものだけ相談する:数百円のものに悩む時間がもったいないです
グレーなものを無理に押し込むより、説明できる形にしておくほうが結果的に安全です。税務調査で問題になるのは、金額の大小より「説明できないこと」です。
ReceiptCSV は、レシートの写真をドラッグするだけで、日付・支払先・金額・消費税率・インボイス登録番号を読み取り、freee/マネーフォワード/弥生会計にそのまま取り込めるCSVを作ります。会員登録なし・月10枚まで無料です。
レシートを整理して記帳を終わらせるこの記事は一般的な情報の整理であり、個別の税務判断ではありません。適用にあたっては顧問税理士または所轄の税務署にご確認ください。