青色申告特別控除が75万円に【令和9年分から】今のうちに準備しておくこと
最終更新:2026年08月24日
令和8年度税制改正により、青色申告特別控除の金額が組み替わります。適用は令和9年分(2027年分)の所得税からで、実際に申告に効いてくるのは2028年春の確定申告です。まだ先の話に見えますが、準備は帳簿の付け方から始まるので、早めに知っておくほど楽になります。
どう変わるのか
| いまの制度 | 令和9年分から | |
|---|---|---|
| 最大額 | 65万円 | 75万円 |
| 次の区分 | 55万円 | 65万円(55万円は廃止) |
| 簡易簿記 | 10万円 | 10万円(所得制限あり) |
75万円を取るには
- 複式簿記で記帳していること
- e-Taxで期限内に申告すること
- さらに「優良な電子帳簿」の保存、または請求書データ等との自動連携のどちらかを満たすこと
65万円を取るには
- 複式簿記で記帳していること
- e-Taxで期限内に申告すること
つまりいま65万円控除を受けている人は、何もしなければ65万円のままです。損はしませんが、10万円分の上積みを取り逃すことになります。
10万円控除に所得制限が入る
簡易簿記の10万円控除は残りますが、前々年の収入が1,000万円を超える場合は控除額が0円になります。売上規模が大きいのに簡易簿記のまま、という状態は不利になります。
「優良な電子帳簿」とは
言葉は難しいですが、要は後から書き換えた形跡が残る形で、検索できる状態の帳簿です。主な条件は次のとおりです。
- 訂正・削除・追加をした履歴が残ること
- 仕訳帳と総勘定元帳などが相互にたどれること
- 日付・金額・取引先で検索できること
- システムの説明書とパソコンなどを備え付けていること
- 税務調査でデータの提出を求められたら応じられること
これを自力で作るのは現実的ではありません。市販の会計ソフトを使い、ソフト側の「優良な電子帳簿」の設定をオンにするのが実際の対応方法になります。freee、マネーフォワード、弥生のいずれも対応しています。
加えて、税務署への届出書が必要です。適用を受けたい年分の法定申告期限までに所轄税務署へ提出します。ただし帳簿システム自体はその年の期首から動いている必要がある点に注意してください。届出は後からでも間に合いますが、記帳のやり方は年の初めから整えておく必要があります。
いま何をしておけばよいか
- 会計ソフトを使っていないなら、導入する。エクセルの自作帳簿では優良な電子帳簿の要件を満たせません
- e-Taxで申告する習慣をつける。すでに65万円控除を取っている人はクリア済みです
- 2027年1月1日から、ソフトの設定をオンにして記帳を始める。年の途中からでは間に合いません
- 電子取引データの保存を先に整える。優良な電子帳簿とは別の制度ですが、どちらもデータをきちんと残す話なので、まとめて片づけたほうが早いです(事務処理規程 作成ツールで無料で対応できます)
結局、得なのか
控除が10万円増えると、税負担はどれくらい軽くなるのか。所得税と住民税を合わせた税率で考えます。
| 課税所得 | おおよその税率 | 10万円増による軽減額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 15% | 約15,000円 |
| 330万円以下 | 20% | 約20,000円 |
| 695万円以下 | 30% | 約30,000円 |
会計ソフトの年間費用と同程度か、それ以上の額になります。すでにソフトを使っているなら、設定を1つ変えるだけで年1〜3万円という計算になるので、やらない理由はほぼありません。
ReceiptCSV は、レシートの写真をドラッグするだけで、日付・支払先・金額・消費税率・インボイス登録番号を読み取り、freee/マネーフォワード/弥生会計にそのまま取り込めるCSVを作ります。会員登録なし・月10枚まで無料です。
記帳の入力を減らしておく